この記事では、「戸建てと区分はどっちがいいの?区分マンションと一棟マンションの違いが知りたい」など不動産の対象物件に迷っている人向けに3つの投資対象の特徴を伝えていきます。これを読めば自分に最適な手法が見つかると思いますのでぜひご覧ください。
戸建てor区分マンションor一棟もの
まず戸建て、区分マンション、一棟ものの特徴は以下の通りです。(あくまで全体としての評価で個別要素も強いので参考程度にしてください。)
戸建て | 区分マンション | 一棟もの | |
価格帯 | 低め | 中間 | 高め |
利回り | 高め | 低め | 中間 |
手間 | 最初多 | 少ない | 多い |
戸建て

【メリット】
- 価格帯が低い
- リフォームのセンスやDIYの技術がある人だと安く仕入れた物件を高利回り物件に再生させることができる
- ファミリー向けなので一度入居すれば長く住んでくれることが多い、また出口で実需(自分で住む家を買うこと)向けの売却も選択肢に入る
- 土地が残る
【デメリット】
- 融資は基本的に使えない
- リフォームなどの知識が必要(購入後のリフォーム費用が思わぬ高額になることも)
- 利益はそんなに大きくは出ない
戸建てメリット
まずは戸建てのメリット面から見ていきましょう。
投資用で扱う戸建てはほとんど中古ということもあり価格帯は低めです。楽待などの不動産ポータルサイトで確認すると関東圏でも100万円台から売りに出されています。
価格が低い分利回りも高めに出ることが多く利回り30%付近のものも見つかります。リフォームなどでうまく再生させれば更に高い利回りも狙えます。
戸建ては基本的に家族で住むことが多いのでワンルームマンションなどに比べて入居期間が長くなる傾向があるので安定した不動産経営ができます。
また売却の際に実需向けの販売もできるので高く売れることも期待できます。(ワンルームなどを買うのは投資家なので値段にシビアなことが多いです。その反面、自分で住むために買う人は利回りなどを気にしないので気に入れば高く買ってくれます。)
戸建てはきちんと資産価値のある場所を選べば、土地の価値が残るので資産価値が高いです。戸建てを担保に融資を受ける手法もあります。土地を基準に不動産投資を行う場合は積算価値など土地の値段も意識するようにしましょう。
戸建てデメリット
次はデメリット面を見ていきます。
まず戸建ては価格が低すぎて基本的に融資は使えません。現金で買い進めていく形が多くなります。
戸建ては購入して貸し出すまでにリフォームが必要なことが多く、手間がかかります。購入した後のリフォーム費用が予想外に高額になることもあり、リフォームやDIYの知識が必要になります。DIYで再生するのが一番安いですが、かなりの向き不向きがあります。
貸し出すまで手間はかかりますが入居者がついてしまえば掃除なども入居者がやってくれるので手間はかからなくなります。
最後に戸建ては価格が安いので利回りが高くても、利益はそんなに大きくは出ません。戸建てで利益を増やしたければ物件をどんどん増やしていくか売却を絡めないと厳しいと思います。
戸建てまとめ
戸建ては価格帯が低いことから、融資を使わずに小さく始めたい人、多少手間がかかっても不動産投資の経験を積みたい人に向いています。リフォーム技術がある人やDIYが好きな人などは築古を再生させて利回りアップ&退去したら実需向けに販売という手法がメジャーですね。
区分マンション

【メリット】
- 価格帯が一棟ものほどは高くない
- 融資が組みやすい
- 物件数が豊富で流動性が高い
- とにかく手間がかからない
【デメリット】
- 利回りが低い。(管理費・修繕積立金もかかる)
- 自分で判断出来る範囲が狭い。
- 土地の持ち分がほとんどない。
- 利益が大きくはでない。
区分マンションメリット
区分マンションも戸建てと同じく関東圏でも100万円台のものからあり、取り組みやすさがメリットです。と言っても賃貸需要のしっかりある場所ということで考えると数百万から数千万がボリュームゾーンになり、戸建てよりは価格帯は高めになることが多いです。
戸建てと異なるのはマンションはRCの作りがしっかりしたものになるため法定耐用年数が長く、駅近であれば融資が引きやすいことです。諸経費10万円程度で不動産を始めることが可能な点は自己資金が少ない、もしくは温存しておきたい方にはメリットになるでしょう。
区分マンションは出回っている絶対数が多いので、購入の際も自分の条件に合うものを探しやすいと思います。また価格帯も手ごろなため、売却の際も売りやすく流動性が高いこともメリットになります。
なんといっても区分マンションの一番のメリットは手間がかからないことです。管理組合があり、修繕計画などもすべて任せられるので購入した後はほぼ自動化できます。不動産投資の中で最も手間がかからない手法が区分マンション投資になります。
区分マンションデメリット
区分マンションは戸建て、一棟ものと比べて利回りは低くなることが多いです。区分マンションは管理費・修繕積立金が徴収されるので更に利回りを圧迫します。利回りとリスクは表裏一体なので、他の手法に比べて手間がかからず必要な知識や技術も少ない分だけ利回りが下がるのは仕方ありません。
区分マンションは、マンション全体の一区画(一部屋)だけを所有する方法なので、裁量権があるのは自分の部屋の中だけです。マンション全体が古びてきているので修繕をしたいと思っても管理組合が承認しなければ何もできません。自分で不動産経営の判断をしていきたい人にはデメリットになります。
またマンションの敷地内の一部しか土地の持ち分がないため、戸建てや一棟もののように建て替えたり土地として売るなどの自由がありません。土地としての資産価値がないことも意識しておく必要があります。
区分マンションも戸建てと同じく価格帯が低い、利回りが低いなどの理由から利益は少なくなります。大きく利益を出したいと思ったら安く買い、高く売ることでキャピタルゲイン(売買益)を目的にするしかありません。
区分マンションまとめ
区分マンションは手間がかからず、価格帯も手ごろで融資も引きやすいため、本業が忙しく不動産投資には出来るだけ時間をかけたくないという人に向いています。
また不動産投資の入り口として区分マンションから入るという人も多いです。(私も区分マンションを購入し、不動産のことを学びながら一棟にスライドしました。)
戸建てと同じく物件を増やしていけば、利益の少なさもカバーできるのでいきなり一棟は不安だという人は区分マンションから始めるのもいいですね。
一棟もの

【メリット】
- 土地ごと所有するので資産価値が高い
- 一つで家賃収入を分散できる
- 利回りが比較的高め
- 価格が大きい分利益も大きい
【デメリット】
- 価格帯が高く手を出しづらい
- 手間がかかる
- 様々な知識が必要
一棟ものメリット
一棟ものはアパートやマンションを一棟まるごと所有するので、資産価値のある土地を持つことができます。建物が古くなっても新しい建物に建て替えたり戸建て用地として売却するなど出口戦略がとりやすいことがメリットになります。
また一棟ものの特徴として家賃収入を分散できるという点があります。戸建てや区分マンションは一つだけだと家賃収入は0か100になるので退去した後次の入居者が入るまでは家賃が入らずローンの返済だけが続くことになります。
一棟所有していれば1、2部屋空室が出ても他の部屋の家賃収入からローン返済をすることができるので安心感があります。
一棟ものの利回りは区分と戸建ての中間くらいのイメージです。しかし、価格帯が大きいため利益は3つの中で最も大きくなります。
一棟ものデメリット
一棟ものは一番価格が高くなるので、ハードルが高いのがデメリットです。当然失敗したときのダメージも一番大きくなりやすいので物件選びの知識が必要です。
また一棟ものは経営判断のすべてを自分で判断しなければならないため、手間がかかります。世帯の数が増える分、各部屋での機器の故障や苦情なども増える傾向にあります。良い管理会社に任せれば負担は減りますが、最終判断は自分でしましょう。
また色んな判断を自分でしなければならないので、購入の際はもちろん購入してからも色んな経験を積んで知識を増やさなければなりません。業者に丸投げすると業者の利益がたっぷりと乗った提案をされ、健全な不動産経営は難しくなります。
一棟ものまとめ
一棟ものは成功したときの利益も大きく、失敗したときの損害も大きい不動産投資の最終地点だと思っています。
手間がかかるというデメリットも自分で考え経営することができるという不動産投資の醍醐味だと思えばメリットとも言えるのではないでしょうか。
しっかりと知識をつけることは不可欠になりますが、不動産投資をメインの投資手法に考えている人は、ぜひ取り組みたいところですね。
まとめ
【戸建て】
価格帯が低いので、融資を使わずに小さく始めたい人や多少手間がかかっても不動産投資の経験を積みたい人向け。
【区分マンション】
価格帯も手ごろで融資も引きやすい。不動産投資には出来るだけ手間をかけたくないという人や初心者向け。
【一棟もの】
手間もかかるし、失敗したときの損失も大きいが、その分自由度が高いことや利益の大きさが魅力。上級者向け。
今回は戸建て・区分マンション・一棟ものという不動産投資の3つの投資対象について特徴を解説してきました。
それぞれのメリット・デメリットをよく吟味したうえで自分に最適な投資対象を選んでもらえたらと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
