土地値物件だと負けないって言ってたけど業者から結構土地値物件の情報来るよ?
僕も最初そう思ってたけど、実は見せかけの土地値物件も多くて買ったら地獄をみることになるよ(泣)
上記の記事で、私はより負けないために土地値を重視して物件を探しているということを書きました。
災害で建物が全壊するなど、どんな状況になっても土地値でさえ買っていれば大きなマイナスにはならないと考えているためです。
私が言っている土地値というのは実勢価格のことで、路線価よりも実勢価格を重要視しています。
また土地値物件と一言で言ってもそこにはたくさんの落とし穴があります。
私がこれまで物件を探してきた中で引っかかりそうになった落とし穴を紹介していくので土地値物件を探している方はぜひ参考にしてください。
路線価と実勢価格の開きに注意
見せかけの路線価に注意
不動産を探していてこのような文言を見たことはないでしょうか?


こちらの物件は510万程度で売られているのでこれを見て「土地値物件だ!」と思うかもしれません。
しかしこれが罠で実際にこの物件を買い更地にして土地として売ろうとしても500万では到底売れません。このことを理解するには『一物五価』といわれる土地の価格のつけ方を知る必要があります。
【一物五価】…土地の値段を決める5つの価格のこと
- 「公示価格」…国土交通省が発表する土地売買の目安となる価格
- 「基準地標準価格」…都道府県が発表する土地売買の目安となる価格
- 「路線価(相続税路線価)」…国税庁が発表する相続税や贈与税の基準となる価格
- 「固定資産税評価額」…市区町村が固定資産税を計算するために不動産を評価した価格
- 「実勢価格」…実際に土地の売買が行われる価格
5つの価格をすべて覚える必要はありませんが、土地の値段として使われる指標が一つではないということは覚えておいてください。
そしてその価格差を利用してお買い得物件に見せかけるということが不動産業界では常用されていますので注意してください。
出口で重要なのは「実勢価格」
土地の値段を考えるときによく利用されるのは「路線価」で、計算しやすくざっくりとした土地の値段を出すのには非常に便利な指標です。
しかし、最終的に土地を売買するときの値段は「実勢価格」です。
実際の土地の値段は法律や制度、またエリアや周辺状況など様々な要因で変化します。そのため、この「路線価」と「実勢価格」の間には開きがあることも珍しくありません。
不動産を購入する際の判断材料として土地の値段を考える際には、「路線価」を参考にしながらも、最終的には「実勢価格」の土地値で判断するようにしましょう。
土地値物件を選ぶ際のチェックポイント
需要のあるエリアか
先ほど路線価と実勢価格があることを見ましたが、基本的には都心は路線価よりも実勢価格が高く、田舎へ行くと路線価よりも実勢価格が低いことが多いです。
地方の需要のないエリアだと路線価が高くても実際の売買価格は低くなります。
また過疎化していると土地の値段だけではなく、賃貸経営する上でも入居者がつかず、収益が入らないということもありますので需要のあるエリアで不動産投資をすることが重要です。
僕はこれからも都心に人は集まってくると考えてるから、東京23区と神奈川・埼玉・千葉のかなり東京寄りのエリアしか対象にしていないよ
再建築できる接道か
土地の価値を考える際に重要なのは再建築可能な接道かということです。基本的に土地を買う人はそこに住宅など建物を建てて使うために購入するわけです。
そのため、建物が建てられない土地は売るのが難しく価値が低いということになります。当然、金融機関の評価も再建築不可の場合は低くなります。
では再建築可能な接道とは何かというと建築基準法の接道義務で次のように定められています。
【接道義務】
都市計画区域内で建物を建てる場合、原則として幅員4m(特定行政庁が幅員6m以上を道路として取り扱う区域は6m以上)の建築基準法上の道路に、2m以上接した敷地(土地)でなければならない
つまり、まずは買おうとしている物件の土地が幅4メートルの道路に2メートル以上接しているかを確認しましょう。
建築基準法上の道路でなく私道などの場合には再建築可能かを見るために持ち分があるかの確認が必要です。
他にも、前面道路の幅員や接道の方角(南向きかどうかなど)などでも土地の値段が上下します。
土地の値段には接道が大きく影響するということを覚えておいてください。
土地の形状
また、土地の形(整形地・旗竿地など)も値段に大きく影響します。下の画像を見てください。


整形地というのは正方形や長方形のように形が整っている土地のことです。
例えば大きな土地を二宅地に分ける際にも単純に真ん中で半分に割ればよく、その場合は二つの土地はどちらも接道していて問題なく宅地として活用でき、使いやすい土地なので土地の値段も高くなります。
それに対して旗竿地というのは画像のような形の土地です。こちらは先ほどの接道義務や日当たり・二宅地に分けるときの区割りなど問題が起きやすく使いづらい土地になり値段もその分安くなります。
旗竿地以外にもいびつな形の土地は使いづらく値段が落ちます。
土地値を考える際に、路線価×㎡数しか考えていないとこのような土地の形状による値段の違いを見落としてしまうので注意しましょう。
擁壁(ようへき)の有無
擁壁といっても不動産に詳しい人以外はあまり聞きなれない言葉だと思います。
擁壁とは、崖などの崩壊を防ぐための「土留め」として、コンクリートブロックや石などを使った「壁状の構造物」のことです。
道路から敷地が少し高くなっていて、その上に建物が建てられる場合、もしくは、隣り合った敷地に高低差がある場合には、崖や盛土の側面が崩れ落ちるのを防ぐために壁が必要になります。その壁を擁壁と言います。




擁壁はこのような坂道の多い土地でよく見かけますが、このような擁壁の上の不動産には注意が必要です。
なぜなら古い建物を壊して新しい建物を建てる際に擁壁が古く危険だと判断されると、再建築ができないからです。擁壁の組み直しには規模によりますが数百万から下手すると1千万以上かかります。
再建築の可否が土地値に影響するというのは先ほど伝えたとおりですが、擁壁があると再建築可能にするために大きな金額がかかる可能性があります。
(擁壁と同じように建築に規制がかかるものとしては崖条例などもあります。)
私はそこのリスクを取りたくないので擁壁の上に立っている物件は買わないようにしています。
法地(のりち)・法面(のりめん)の有無
法地とは実際に宅地として使用できない斜面部分のことです。 自然の地形で斜面になったものと、傾斜地を盛土や切土で造成する際に、土砂崩れを防ぐためにつくる場合があります。


法地は建物が建てられず有効宅地としては使えないので、その分土地の資産価値は落ちることになります。(擁壁や法地と同じように建築に規制がかかり有効宅地が減るものとして崖条例などもあります。 )
私も以前広めの土地のアパートが格安で売りに出ていて喜んで現地に行ったら半分以上が法地で、有効宅地で考えるとむしろ割高だったということがありました。
土地の広さの割に建物の面積が狭い場合は法地の可能性も考えた方がいいと思います。
近隣の嫌悪施設の有無
近隣に嫌悪施設があるかどうかも売買価格に影響します。
嫌悪施設とは、その存在が周囲の人から嫌われる施設のことで以下のようなものがあります。
- 風俗店など住宅地としての品格を下げるような施設
- 騒音、大気汚染などを引き起こす工場
- 原子力関係施設や軍事施設、刑務所
- お寺や火葬場
どの施設が嫌悪施設となるかは主観や時代性などもあって一貫しているわけではないですが、このような施設が近隣にあると土地の価値が下がる可能性があることは知っておきましょう。
まとめ
- 需要のあるエリアか
- 再建築できる接道か
- 土地の形状
- 擁壁の有無
- 法地・法面の有無
- 近隣の嫌悪施設の有無
以上、土地値物件を探す際に注意したい項目をあげてきました。
以上あげてきた以外にも、車が侵入できるか・ライフラインの埋設状況・用途地域(建ぺい率・容積率)なども土地の値段に影響します。
つまり、土地値で買うと一言で言ってもその土地値は様々な要因が複雑に絡み合って決まっているということです。
これらの知識は物件を探していく中で気になった部分をその都度調べながら得てきたものです。
不動産は大きな買い物になりますので、ぜひ十分に調べて納得した上で購入されることをおすすめします。(本当に良い物件は即決するくらいじゃないとすぐなくなってしまうのが悩みどころですが)
良い物件を買い進めていけるようにお手伝いできればと思いますので、引き続きこのブログを見ていただけると嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。